Re:ワッショイ妖精
小さいおじさんのことを覚えているだろうか。
小さいおじさん(ちいさいおじさん)は、日本の都市伝説の一つ[1][2]。その名の通り、中年男性風の姿の小人がいるという伝説であり、2009年頃から話題となり始めている。
「小さいおじさん」の身長は8センチメートルから20センチメートル程度[1]。窓に貼りついていた[3]、浴室にいたなどの目撃例があり[4]、道端で空き缶を運んでいた、公園の木の上にいた、などの話もある[5]。ウェブサイトでも「小さいおじさん」に関する掲示板や投稿コーナーが設置されている[3]。
以上Wikipediaからの引用である。
今からおよそ10年程度前に話題になった小さいおじさん。
私は当時この話が大好きだった。
芸能人がよく目撃しており、まとめサイトなども作られていたため、ガラケーで情報を検索しては憧れを募らせていた。
調べてみるとロシアやアメリカでも似たような目撃情報が挙げられている。
村上春樹のリトルピープルだって言ってしまえば小さいおじさんだ。鳴き声は「ほう」だけど。
いちさんのワッショイ妖精も、もしかしたらこの小さいおじさんだったのではないだろうか。
だとしたらうらやましくてならない。この話を聞いてからというもの、私は数年にわたって小さいおじさんを探していたのである。
探していたと言っても、山に入り野を分けて探していたわけではない。
きっと小さいおじさんはどこかに普通にいて、活動をしている。
それを見逃すことのないようにふとした瞬間に
「あ、今小さいおじさんいそう!(無根拠)」
とさりげなく意識を巡らすのだ。散歩の途中で木の根のあたりをふと見てみたり、
休憩中の窓の外、
視界の隅、
いつでも探しているよどっかに君の姿を。
山崎まさよし / One more time,One more chance
そんな感じでほぼほぼ習慣化していた小さいおじさん探しだが、ここ数年すっかり忘れていた。忘れていたことさえ忘れていた。
いちさんが記事にあげなかったら多分一生思い出さなかったと思う。
こうやって人は大人になるのだ。さつきもめいもいつかトトロに会えなくなる日が来る。
ワッショイ妖精の話でもう一つ思い出した。
これは結構共感してもらえると思うのだが、子供の頃は通学路を歩きながら、めちゃくちゃ身体能力の高くなった自分を妄想で並走させていた。
妄想の中の自分は壁を走り、電柱から電柱へ飛び移り、実に軽やかに家路を走る。
退屈な帰り道をしのぐ小さな遊び。
特に意識もせずやっていたはずなのに、ふと思い出してこのあいだ散歩中にやってみようとしたらうまくできなかった。
頭の中くらい幾つになっても自由でいたいはずなのに、使わないところは退化していくんだなあ。
勝手な思い込みだけど妄想の中でくらい自分を自由にできる柔らかな頭がなくては、ワッショイ妖精も小さいおじさんも見えない気がする。
脳みその無為な部分をストレッチさせよう。いつか小さいおじさんに会う為に。