幸せにしてあげるよ
初めて会ったTくんに言われた。
「幸せにしてあげるよ」
ってまるでプロポーズみたいな言葉。
Tくんの声は低くて落ち着いていて至って真面目だった。(本当にそう聞こえた)
どこの馬の骨ともわからない 出会って数時間のわたしに向けて放たれたその言葉は
現実味がなくて不思議で可笑しみがあった。
ちぐはぐな距離感で世界が歪んだ。
自分の何が?どこが?Tくんにそれを言わしめたというのだろう。
きっとその疑問とTくんの言葉は一生心の中から消えない。
Tくん。ユーモアがあって魅力的な人だ。
失恋したてであろうと不屈の精神で新しい恋に向けて動き始めたら
面白いこともあるし、疲弊してしまうこともある。
恋とか結婚とかいったん置いておいて愉しく日々を生きて、
気付いたら隣に大切なひとがいる、みたいなのが良い。
早くそうなりたい。とか思っている内はだめだろう。