わかりやすいと愛しやすい
先日、猪苗代へ高速教習を生まれて初めてしてもらった。
せっかくだから、可愛らしい園芸屋に寄る。子どもの頃はおばあちゃんや母親にこういうとこ連れて来られても全然楽しくなかったのにねー、などと一緒に行った友人と話しながらすっかりテンションが上がってしまい、2.3個観葉植物や多肉植物の寄せ植えを衝動買い。会計すると、リニューアルオープン記念、と言ってパンジー(大きいから多分)の鉢をもらった。
植物を育てるのはあまり得意ではないので、若干ありがた迷惑に思いながらも、小学校の花壇を思い出しながら家に連れて帰る。
当然プランターも植木鉢もないから、ありものに植え替えてこうなった。
水やりをすると下から滴るので、置く前に持ち手を掴んでチャッチャと水を切るとき、毎回ラーメン屋の湯切りがよぎるのでそのうち変えると思う。
植物を育てる基本は、
その植物が水か風か光か、なにがほしくてなにがいらないのか、見極めることだ、とTwitterのマンガで読んだところ。
そんなんわかるかーい。どうせまたすぐ枯らすんだろうな、と思っていたら、こいつ、とてもわかりやすい。
1日水をあげないだけで、瀕死のように萎れてしまうのだ。
慌ててたっぷり水をやり、少し日向に置いておくだけで、数時間経たないうちに元気になる。ものすごい背筋だ。(腹筋かもしれない)
見るからに強い風には耐えられなさそうなので、風にはそこまで当てず、葉っぱがぴんと広がっているから光はきっとほしいはず。
特に調べもせずひとまず見当をつけて数日。
とにかく水が沢山必要であることさえ注意しておけば、元気につぼみをポンポン開かせている。
色が淡くなっていってるから、もしかしたら光か養分が足りないのかもしれないけど。
ありがた迷惑だった鉢が、いつのまにか日常に入り込んでいる。
人だって結構そうで、わかりやすいものって愛しやすい。
傍若無人で人の悪口ばかり言ってても何故だか沢山友達がいる人とか、なんでこの人これで!?と思う人だとか、気ままに振る舞っていてもものすごいモテる人とか、結構これじゃないかなって思ったりする。
レスポンスが返ってくるものに人は弱いのだ。ついそちらばかり向いてしまう。
だけど、なのか、だからこそ、なのか、わからなかったその人が、または行為の意味が、光が差すようにピンとわかった瞬間というのは、なんとも感慨深いものがある。
わかりにくさの裏にあったものに気づいたとき。昔わからなかった歌詞の意味。あの人の言ったこと。本当は。
過ぎ去ってしまう前に気付けるようになりたいものだなあ、と、全く変化のない多肉植物の寄せ植えを見ながら思う。君はなにを欲しがっているのかね。