交換雑記

交雑してます。6人くらいでやっています。

ラブリー糸電話

紙コップに繋いだ綿糸。 こちらは僕、向こうにはあなた。 耳に当てる紙コップ。ぶわっと反響する声。 耳から少し離しながら、一生懸命に紡ぐ言葉を聴く。 「とと、と同じくらい大きくなったら、ととの部屋で一緒に何か作る」 革小物作家なんて名乗ってるもの…

多目的トイレ

ッッジジッ!ッッジジ! 夜、コンビニ行くと入り口付近に青白く光る長方形のあれ。 虫が光に吸い寄せられては死に際に放つ音と一瞬の火花。 焼かれる一瞬の音を聴く度に、自分の心臓が焼かれるような、遠いトラウマを思い出す感覚のような、音をきっかけに混…

砂丘に架かる虹

「ねえイチくん。砂丘に降る雪が見たくない?」 2006年12月某日、同じ美術部(学内の周囲から浮いた人間が同じ匂いを感じて集まる部)のKは僕にそう切り出してきた。 Kはよく僕に面白い提案をしてくれる友人。 「ねえイチくん。ヘビ飼わない?」そんな風に誘…

どどめ色に対する猶予

陸橋の上から見えた遠くの雨雲を見て、こちらも時期に降り出すね、なんて思いながら、不安や不幸が降ってくるのもそんな風に心構えが出来る時間があればいいのにな、なんて思った。 雨といえば、僕は傘を差すのが苦手だ。 「雨に濡れて地球に生きている事を…

記憶喪失という体験

「今日って何月何日ですか?」「今って何時何分ですか?」 某テレビ番組で記憶を失った人についての書籍の紹介をしていて思い出した。 そういや、自分も断片的な記憶喪失になったことがあるなと。 以下に打つことは当時周囲の人達から聞いたお話です。 中学…

Re:Re:パンツのはなし

パンツ。 男子のパンツ。女子のパンツ。 それはお互いにとって解けそうで解けない、見えそうで見えないのがいい、毛むくじゃらのミステリー。 よく分からないけど、毛むくじゃらのミステリーって言葉が卑猥でいいね。 これが伝えたかっただけなので個人的に…

ワッショイ妖精

これを誰かに話すと怪訝な顔をされるか、笑われるか、弄られるかの三択位のリアクションになるのだけれど。 小さい頃、たぶん小学生低学年位までだったと思う。 僕にはワッショイ妖精の声が聞こえていた。 読んでくれているあなたはきっと今、「妖精?」「ワ…

噛み合う景色

菜の花が畦道を盛り上げる頃、 稲が植えられる前、 水が張られた田んぼが好きだ。 水面が風で揺れて日差しで光る風景を美しいと思う。 でも、もっと美しいものを見たことがある。 20代の頃、宇都宮市から福島市に住む友達に会いに自転車で行ったことがある。…

光合成社会

眠れるけど、眠らないでもよい身体 食べれるけど、食べないでよい身体 光合成的な行為だけで活動出来る、生きてゆける身体が欲しい。そんなことを昔から思っている。光合成的行為だけで生きてゆける人間社会。午後に疲れてきたなと思ったら光合成的行為。 眠…

Re:Re:Re:天才を殺す凡才

私はこちらの書籍を読んでいない。ので。2人の日記をみての所感を。 この部分→よく産地では作家か職人か論争みたいのがあるんだけど、私はそれは創造性の有無じゃなくて、再現性の有無だと思ってるの。職人=再現性。じゃないと単価出せないからね。そのた…

砂場のススメ

砂場のスルメじゃない。ススメ。子供に遊ばせるように庭に畳一畳分くらいの砂場を作ってるんだけど、これだけ外出自粛しなきゃならない状況が続くと子供のみならず大人だって砂場遊びに俄然喜びを感じるもので。子供の時には思いつかなかった水の流れを作っ…

死を与えられそうになった

唐突だけど、大学生の頃に死体に間違えられて警察と救急隊員にしかめっ面をされたことがある。駅の連絡通路で、通勤時間帯に。ふと思い立って京都市から琵琶湖一周をしようとして、その日のうちに凄く軽装で歩き出した。 確か、秋も深まってきていた11月だっ…