交換雑記

交雑してます。6人くらいでやっています。

記憶喪失という体験

「今日って何月何日ですか?」
「今って何時何分ですか?」


某テレビ番組で記憶を失った人についての書籍の紹介をしていて思い出した。


そういや、自分も断片的な記憶喪失になったことがあるなと。

以下に打つことは当時周囲の人達から聞いたお話です。

中学生二年生の時、その日は学校で創立何十周年かを祝う行事があった。
午前中に近くの文化センターでオーケストラかなんかの演奏を聴いたりして、午前中で下校。
ただ、当時入部していた部活が県内外では比較的強豪校で、僕達はそのまま学校に戻り昼食後から練習になっていた。

練習時間まで少し時間があった僕達は校庭でふざけ始めたらしい。

先輩たちと相撲を取るという流れになり、
どういうことか「僕は頭を打った」らしい。
どういうことかと打ったけど、相撲を取ったら頭を打つこと位あるよね。

特別痛がる様子もなく、その場は笑いあったりしていた。
ただ、一時間後、二時間後と時間が経つにつれ僕の様子はおかしくなっていった。


何度も何度も何度も、
「今日って何月何日ですか?」
「今って何時何分ですか?」
「どうして僕は此処にいるんですか?」
ということを確認するようになっていた。

 

何度も何度も何度も何度も何度も。


そのあたりで先輩たちも僕の異様な様子に怖くなり、顧問に報告。
たぶん先輩たちは相当焦ったと思う。頭を打った後輩の頭がどう見ても普段とは違うんだもの。

両親に連絡が入り、僕は病院に連れて行かれた。

 

MRIに入ってスカスカの頭の中を検査されたりしたらしく、こんな事があるならもう少し密度の高い脳味噌を見てもらいたかったな、後から思った。

 

検査の結果、特に大きな大きな異常もなく、時間が経てば元のようになるでしょうと診断。


夜、自宅の冷蔵庫からジョアを取って飲んでいる、親と何かことばを交わしている、ここだけはボンヤリと他人事のように思い出せる。

 

他人事と打ったけど、本当にそう。

ここまで述べたこと、今でも思い出せない。
薬箪笥のような記憶の引き出しが一カ所だけ無くなってしまったのだ。

 

だから上記の事は、今でも全て聞いたこと。聞かされた事を僕が信じた結果の話。

あくまで聴いた他人事の話を「信じて」自分事に置き換えた話。


いろいろなケースがあるんだろうけど、僕は短期ではあれど記憶喪失になったこと、異様な様子になったこと、それら全てが自分事ではない。記憶にないからね。

 

もしかしたら、頭を打つ前の自分と打った後の自分や周りは何か違っていたのかもしれない。

 

まぁそんなことはないんだろうけど、僕が映画や小説の核心的な人物だったら、何か物語が動くキッカケになれたのかもしれないなぁ。


頭を打つような出来事があったら時間差で影響が出るから気をつけてね。