パンツのはなし
尻と大陰唇が抗議の声を挙げている。
2020年、家族会議で今年の目標を書き出した際に
「こまめに下着を買い換える」というものがあった。
新しいシーツ、新しいタオル、新しい下着。
肌に直接触れるものが新鮮であり続けることは贅沢だ。
そう、わたしは今年は贅沢をするという目標を立てていたらしい。slackにそう書いてある。
たしか去年の年末に下着を全てユニクロのものに入れ替えた。ブラジャー、パンツ。同型、同サイズ。6組。
実用性とコストパフォーマンス重視。
下着は美容とよく似ており、こだわりたいときととりあえず尻と乳だけ守っていてくれという時期がある。
そう、波がある。
4年前?くらいに私的下着ムーブメントが起き(時代はミニマリズムやノームコア全盛期だったように記憶している)
下着!!下着!!と可愛くて、繊細で、高価で、破れやすくて、パットもなく、モノによっては乳首がスケスケな下着を次々と買い込んだ。
体にオシャレな布をくっつけているくらいの感覚の下着ばっかりを買っていた。
オシャレに飢えていたのであろう。
そんなアッパーなオシャレは2年くらいは続き
シルクだの、レースなどを身に纏っていたのだが
コストパフォーマンスの悪さと手入れの煩雑さがどうにも疲れてしまい
「そこそこの値段のそこそこの品質でその辺で買えるやつ」を探し、ユニクロにたどり着いたわけである。
この決断は利便性やランニングコストの点からも悪くないはずだった。
しかし今年に入ってからどうにも尻と大陰唇が抗議の声を挙げている。
どうにもユニクロのパンツと相性が悪いらしいのだ。
常にカサついた尻。違和感を唱える大陰唇。
なんともフィットしない。これは我々のパンツではない。
お前は今年は贅沢するんじゃないのか。
尻と大陰唇のシュプレヒコール。
ユニクロにはまったく落ち度はなく、単に相性の問題なのだが
尻と大陰唇の主としてこれは行動せねばなるまいと、下着の政権交代を行うことにした。
次なる与党はhanky pankyである。
hanky pankyは働く女性=パンツスタイルという時代に大学で教鞭をとっていたリダ・オルゼックがパンツについて悩んでいたところ、友人のゲイル・エプスタインが着心地がよく、ラインに響かない、食い込まない下着を自作し、プレゼントしたところからスタートしたブランド。1977年創設。
そのこだわりは公式ホームページに詳しく書かれているので読んでみてほしい。
わたしはhanky pankyを件の下着ブームのときに
見た目がかわいいという理由だけでパンツ、ブラジャーを2セット購入したことがある
あまりにも着心地がよかったためスタメンに起用し続けたら、気付いたらあっという間にヘタってしまった。
それでも他のオシャレ下着よりは全然耐久してくれたわけだが。
hanky pankyのブラジニアンビキニとボーイショーツという型を着たことがあるのだが、ほんとーーーーーに、どっちも絶対に食い込まないし、アウターにも響かない。
着心地が軽やか過ぎてパンツ履いてること忘れる。
話は逸れるがブラジャーも紐が細くて、パットも薄めで、それでいてある程度乳が包まれている安心感がある。寄せたり盛ったりということにあまり興味がなく、ナチュラルな感じが好きなら絶対にオススメ。ホックがなく被るタイプで、金属アレルギーの私にとってはありがたい。
ワイヤーも入ってないので小さくたためて旅行のときとかも超便利。
そんなことを思い出して、新しいものを試すよりは信頼と実績のhanky pankyを採用することにした。着道楽が役に立った数少ない事例である。
値段はすごく高価な訳でもないけど、すごく安くもなく、まとめ買いしたらそれなりのお値段になるね…くらい。でもしょうがないよね、これ贅沢だし。贅沢するって決めてるんだし。
そんなわけで今現在、ほぼ全ての下着をhanky pankyに換えクローゼットの与党となっている。
ぼくの尻と大陰唇を守ってくれhanky panky。
余談だけどhanky pankyのパンツの花かわいい。
プレゼントに良さそう。
わたしからパンツプレゼントされたい人いるかしら。