交換雑記

交雑してます。6人くらいでやっています。

Re:Re:死を与えられそうになった

うん。うんうん。

とみんなの記事を頷きながら読んでしまった 

 

ふと思い立って京都市から琵琶湖一周をしようとして、その日のうちに凄く軽装で歩き出した。 確か、秋も深まってきていた11月だったと思う。 ニットにアウター、青いビニールシートとお金を持って。

死を与えられそうになった - 往復交換雑記

これね。とってもわかります。

なんなんでしょうかね。この衝動。

 

 

そんないいもんじゃないよ!って返ってくるであろうことはわかってるんですけど。

Re:死を与えられそうになった - 往復交換雑記

 そんないいものでは無い話がこちらにもある。

 

私もある日急に思い立って50ccのバイクで250kmぐらいまで離れた仙台を向かった旅をしたことを思い出しました。

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当時の愛車のApe50

 

あの時確か、初夏だった。

昼間はロンT一枚で過ごすぐらいが 気持ち良い季節。

とりあえず手持ちの1〜2万円程度のお金と当時一番お気に入りだったstussyのパーカーと部屋を飛び出す前に目があったポテトチップスをパタゴニアのリュックに詰め、突然旅に出た。

(グレゴリーのリュックが流行っている時代にパタゴニアを使う謎の抵抗)

iPodClassicをシャッフルして流れてくる音楽は確か”YUMEGIWA LAST BOY ”

iPodナイスチョイスと思いながら、それは天気の良い日でお昼前ぐらいに自宅を出発した。

 

 

当時は確かiPhoneもまだ無くて、Google マップも気軽に見れるような環境ではなかったのでシンプルに道路の看板だけを頼りにいくしか無いという旅。

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この手の看板



単純計算で250km、原付なので法定速度30kmだとして8時間弱で着くのでは。夜には仙台に居るのか…。と子供ながらに興奮していた気持ちを今でも鮮明に思い出せる。

意気揚々と国道4号線をひたすら、ただひたすらと北へ向かうだけの 

単純明快な旅…のはずだった…

 

 

国道4号線はとにかく北へ向かう主要道路であり、自家用車もトラックもそれは凄い勢いで走る。

 

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どう考えても勝ち目がない

 

こちとら丸腰の原付バイク。法定速度は30km、すなわち抜かれる前提で走る。

車、運転している人ならわかると思うのだけど。左車線をチマチマ走るあれ。トラックが横をすれ違うだけで風圧でよろけそうになる。常に迫りくる死の恐怖。

え?なんの罰ゲームなの?と感じるはずが、ところがちょっとワクワクしてた自分がいたんですよね。好きな音楽、自由な時間、気持ち良い天気とバイク、死の恐怖。なんてモラトリアム。青臭い。まさに青い春。

 

那須から福島県に入る道は新緑が綺麗で、目に入る景色が今でも思い出せるぐらい綺麗でこの景色を見れただけでもこのツーリングは最高だと浮かれていた

この時午後2時天気も良いし最高だ。

 

白河駅郡山駅では寄り道しては記憶がある。軽食を食べたりコーヒー飲みに行ったり一人ではしゃいだ記憶がある。

うっかり寄り道をして17時ぐらいか。夜までに仙台行けるのか?雲行きが怪しくなってきた

 

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ひたすらこういう道を走る 福島はこういう道が多い

 

問題はこの後の郡山〜福島市間である。まず遠い。長い。テンションもだんだんと下がり気味。すっかり日が落ちては暗くなる国道4号線。ますますトラックとのすれ違いが怖い。

そしてなにより道に灯りが無いのである。

え?嘘でしょ?福島ってもっと都会かと思ってたよ?外灯はつけよう。ここに税金使うじゃ無いの?何故無いの?それはなんとも自分本意な考えで人生で初めて他県の政治活動にイチャモンつけた瞬間だったと思う。人は安全欲求が満たされないと理不尽になる。ここで一つ賢くなった。

 

 

そんなこんなひたすらアクセルをふかしては福島市街地に着いた。

時刻は確か19時程度。ここでやっと150km。仙台まで残り100km。福島市は県庁所在地でもあり、街灯がある。ありがたい。これほど街灯に感謝した記憶無い。

街中に入り、街を散策。ホテルに泊まるか将又、格安バックパック旅行ですし、漫画喫茶で一夜過ごすか脳内会議をしていた。しかしながら、ドーパミン出ていて変なテンションになっていた。仙台まであと100kmか。行けるな。行くか。今思うと、どう考えてもおかしい。8時間ぐらいかけてやっと150kmなのに何故行けると思ったのか。完全にランナーズハイ。

 

結局、福島市を出発した。

福島市宮城県間の4号線。本当に恐怖。暗い。ついさっきまで暗いの怖いとか言っていたのに福島市の街中が明るくて強気になっていた数分前の自分を叱りたい。もう怖くて全力で歌を歌いながらバイク乗ってる。見えてくる看板は『宮城県へようこそ』遂に…遂に…魔の福島を抜けた。仙台がある宮城県!これはきっと都会なはず。街灯!街灯あるはず!

 

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このレベルの暗さ

 

否、宮城県入っても外灯は無い。絶望。虚無。

何の根拠で福島抜けたら明るくなると思い込んでいたのだろうか。勝手に作った幻想である。

 

 

 宮城に入り、最初に見えた街明かりは此処のセブンイレブンだった。

灯りに安堵し、ホットコーヒーで一息した。初夏と言えども夜のバイクは冷える。 

この時既に22時ぐらいか。セブンの店員さんが妙に鈍っていて、自力で東北まで来た…!という謎の達成感を味わったことを覚えている。と同時にもう心は折れてしまった。

 

あれ…?仙台…遠くない?此処に来て初めて冷静なジャッチができた。

(今だったらスマフォでGoogle マップで一発で検索できるのにね)

 

ランナーズハイの余韻も冷め、このままひたすら暗闇の中進むのか。40分ほどかけて福島に戻るのか、検討したところ。確実に灯りがある福島へ引き返しては、道の駅 国見 あつかしの郷に24時ぐらいに戻ってきた。これ以上は動けなかった。

 

福島市街まで戻るHPはもう残っていなかった。

ベンチでコーヒー飲みながらうたた寝。今思うと謎なのだけど、他にも3-4人ぐらい野宿してた人いたのだけど…あれ…みんな何してるの。

 

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道の駅 国見 あつかしの郷 確かにこんな感じの施設だった

 

 

そんなこんなで朝日が登った。

日が登ればこっちのもんである。凄い強気。

凄い強気で意気揚々と家に帰った。仙台遠すぎるだろ…と捨て台詞を福島に残して