交換雑記

交雑してます。6人くらいでやっています。

マリッジ・ストーリー

一昔前、当時付き合っていた彼と結婚すると信じていた私は、既婚者に出会う度に「あなたはなぜ結婚したのですか?結婚の決め手は?」と狂ったようにアンケートを取るだけの人と化していた。「好きな人と末永く一緒に居ることの難しさ」に直面し、人並みに自信を失くしたせいで、「結婚」≒「覚悟」がどのように決まっていくのか、興味があったのだと思う。

その際、ヨメちゃんに「この人のためなら変わろうと思えるから」と回答を頂き、ストンと腑に落ちて 以来その言葉を胸に生きています。(その節は本当にありがとうございました。)

 

今では結婚てタイミングだと悟ったこともあり、アンケートを取りまくる人からの脱却を果たした。そんな私が最近 沁みて沁みて仕方なかった映画がこちら☟

 

『マリッジ・ストーリー』と題されたこの映画、蓋を開けてみれば離婚の物語なのだけど。(ディスクのリンクがないので下記はサントラ)

マリッジ・ストーリー

マリッジ・ストーリー

 

 

オープニングが素晴らしすぎて冒頭の10分でこの映画への愛が溢れて爆発した。

「間違いなく愛はそこにあるのに!」って思わずにはいられない、複雑に転がっていくストーリーがもどかしい。(あらすじは調べれば出てくるから割愛)

 

後半に瞬きするのも忘れるほどの名シーンがあって、まるでその場の空気が閉じ込められたみたいな息苦しさに圧倒された。本当は言いたくなかった、言うつもりもなかった言葉が宙に浮いている。その居たたまれなさがリアルだった。そうして至って真面目に人間臭く描かれる人生の機微には、ユーモアがついて回るから不思議だ。

 

わたしがこの映画を観て・感じて、一番大事にしたいと思ったものは、ずっとなくなることはない愛や優しさだった。

 

ふと、両親・祖父母だっていろいろ大変だったんだろうなあと、長きにわたり続いた父と母の冷戦、祖母の長電話(主に祖父の愚痴)を思い出したりする。きっと綺麗ごとや理想ばかりでどうにかなることばかりではないのだろう。どうにかならない結婚生活の行方が描かれた『マリッジ・ストーリー』a.k.a.離婚物語は、それでも苦いばかりでなく優しい後味だったから、失うことばかりじゃないんだって安心した。